一枚板の結婚証明書をご検討の皆さま、
このページをご覧いただきありがとうございます!<製作担当の夫です>
私ども -結- は2025年3月に創業いたしました。
まだまだ勉強中で至らない所もあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、木の結婚証明書について勉強しようと他の作家さんの作品を拝見しますと
一枚板を未加工のままで販売されている方が多い印象です。
家具作家の私といたしましては
「そんなのありえな〜い」という感じなのですが
なぜありえないかと申しますと
「見た目が悪い」「手触りが悪い」「経年で変色&変形しやすい」からです。
未加工の状態のまま自分の作品を販売する家具職人や木工作家はいません。
未加工の木のイメージとは
「ホームセンターや材木屋で売っている木」と同程度の加工レベルです。
それのなにがいけないの?と思われるかもしれませんが、
加工したものとそうでないものの実物を見比べれば納得するはずです。
分かりにくいかと思うのでカレーに例えてみます。
自分の家族やパートナーにカレーを作ってあげよう、という時
ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、などの野菜を、
スーパーで買ってきた状態のまま鍋で煮込むようなものです。
皮も剥いてないし、なんなら土がついてるけど、
煮込んでるから食べることはできます。
もしそんなカレーを作る人が存在するとしたら、
きっとその人には悪気はないと思います。
ただ単純に料理の方法を教えてもらってない、
もしくは
カレーを食べたことがないからカレーを知らない、これが理由です。
※注意※
もしかしたら「そっちの方が美味しいカレーになる」という人もいるかもしれません。
そこは個人の好みの問題なので今回の話とは性質が違ってきます。
木の加工においても
しっかり加工(料理)する方法を知らない、
もしくは
そもそも美しい無垢材を見たことがないから加工しないといけないという認識がない、というのが理由だと思うんです。
よってその人が販売している板の中で一枚でも「未加工」のものがあれば、ほかも全て未加工です。たとえちょっと綺麗な板が他に掲載されていたとしても、それも間違いなく未加工です。
「今日は気分が乗らないから野菜は丸ごと鍋に入れて煮込んじゃおうかなー」っていうカレー屋さんって絶対ないですから。
しっかりした木工作家なら「今日はめんどくさいから未加工で売っちゃおう」なんて絶対に100%ないです。
つまり
「一枚でも未加工の板を出品しているクリエイターは、他の板も全て未加工」です。
ご注意ください。
話を戻しますね。
未加工の木にオイルなどで塗装するのは最悪です。
それなら未塗装のままのほうがまだいいですよ。
<解説> (専門的なのでご興味ない方は飛ばしてください)
表面が荒れた未加工状態のまま塗装すると
↓
表面のデコボコすべての面に塗料が染み込む
↓
余分な塗料を木が吸い込む&吸い込み量に差ができる
↓
余分な塗料を木が吸い込むと→塗料が経年劣化する
吸い込み量に差ができると→経年劣化で変な模様が生まれる
↓
まとめると・・・
木が吸い込んだ塗料が経年劣化する&変な模様になります。
塗料が経年劣化すると色が変わります。しかも全体が同じスピードではなく、部分によって差ができてしまいます。
例えばサカメの凹みやプレーナーの横線の凹んだ部分は塗料を他の場所より多く吸い込んでしまうので色が他より濃くなります。
経年でそれが黒ずんでどんどん目立ちますよ。
<解説おわり>
一枚板を選ぶ時、
木の形や色がもっとも大事だと思います。
だけど加工レベルも重要です。
しっかり加工された木工品は見た目や手触りの良さに加えて
「割れにくい」「反りにくい」「動きにくい」「紫外線に強い」
そういう工夫も凝らされています。
先人たちが受け継いできた知恵が詰め込まれているんです。
このページをご覧いただければわかるように、
画像だけでもある程度は判断できます。
少なくとも「まったく未加工」な板はすぐに識別可能なはず!
っていうか、
未加工の板をそのまま使うということは、その他必要な処理もやっていないのでは?(例えば樹皮部分の処理、面とり、小口の加工など。)
冒頭でも書きましたが、「そんなのありえな〜い」です!
真面目な話。
やめてほしいのです。
未加工の木なのに「良質な木工作品」だと勘違いさせるような伝え方は。
若いご夫婦が勘違いしちゃいます。
「これが銘木ってやつなのか!」って。
木や木工についてあまりにも無知なクリエイターは
「これが運命の木だ」とか
「経年で味わいが深まる」なんてことを
軽々しく口にしないでください。
というわけで
夫からは以上です。
ぜひご参考になさってくださいね〜!
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